【MPメルマガ 第136回】<戦略編>集中戦略 ~ローカルヒーローを目指せ~(解説)(2016年11月17日配信分)

こんにちはMPCの外山です。

トランプさんが大統領になったので、色々なところで”お祭り”が開かれています。

で、最近「印象操作しすぎじゃない?」って思い始めました。何分パンチが効いた人なので、過激な発言とか印象に残る表情ばかりが報道されていますが、もう決まってしまったことなので、そろそろそんなことは止めて冷静にこの人の政策とかを分析する時期だと思います。

また、私が勝手にトランプ発言を解釈する企画でもやろうと思ってます。

ということで、今週は「炭焼きレストランさわやか」を事例に取り上げて、集中戦略の話をしています。

【集中戦略とは】

今週のテーマになっている集中戦略ですが、簡単に説明すると…
「特定の市場に集中して商売する戦略」ってことです。

例えば「地元でしか商売しない。他の地域には進出しない」とか「富裕層しかターゲットにしない」「若年層しか狙わない」といったように特定の層(専門用語では”セグメント”と言います)を狙い撃ちにした戦略です。

【小さなトンカチで勝負するか錐で勝負するか】

さて、ここで質問です。皆さんの目の前に大きな敵が現れました、相手はでっかいハンマーを持っています。皆さんはこの敵と戦わないといけません。

戦うためには武器が必要なので、こちらも武器を準備します。手持ちの少ない材料を使って武器を作ります。作れる武器は2種類。材料をまんべんなく使って作る”小さなトンカチ”と材料を先端に集めて作る”錐”です。本当はこっちもでっかいハンマーで対抗したいですが、材料が無いのでしょうがありません。

さあ、どっちの武器で勝負しますか?どっちの武器が効果的でしょうか?小さなトンカチですか?それとも錐ですか??

普通に考えると錐を使ったほうがよさそうです。先が尖ってますからね。これで相手を突いた方が効果はありそうです。

集中戦略とはこのように資源を集中させて”錐”を作って戦う戦略です。

前回岡崎さんが桶狭間の戦い云々の話をしていましたが、桶狭間のとき織田信長は兵力を今川義元の本陣(もっと言えば義元1人)に絞り込んで戦いました。今川義元の本陣に狙いを絞ることで、自分が持っている兵力(資源)を集中させて錐のような状態にして戦うことで圧倒的に兵力が多い今川軍に勝ちました。

今回事例で紹介した静岡県のさわやかも同じです。静岡県という特定の市場に集中することで、成功を収めています。

ここからは、さわやかが集中戦略を採ることで得られている効果をいくつか書いて行きたいと思います。

【お客さんの情報が密に集められる】

特定の市場に集中すると相手にするお客さんが絞られるので、その分情報が密に取れます。特定の人の情報”だけ”集めればいいので、その分情報の質が濃くなります。「痒い所に手が届く」みたいな情報も集められます。

で、細かく情報が集められればその分「その人に合った」商品が作れます。やっぱり自分に合った商品は利用したいって思いますからね。この効果は大きいです。

【コアなファンが現れる】

特定のセグメントに集中して商売をしていると「コアなファン」が現れます。

そしてこのコアなファンが絶大な力を発揮します。まず、とにかくこの人たちはリピートでどんどん利用してくれるので、この人たちがお金を落としてくれます。

そして、この人たちは信仰に近い想いを持っていることが多いので、どんどん宣伝してくれます。多少粗相があっても「それも良さだ!」みたいなことを言ってマイナスをプラスに変えることすらやってくれます。

このコアなファンの人たちは優越感をくすぐられることが、大好きです。「自分しか使えない」状況になると喜びます。
「私のすごくいいお店使ってるの~、でも、ここは私しか行けないんだよ~」みたいな状況が大好きです。この状況を保っている限り彼らはファンであり続けます。

これは商売しているものとしてはものすごくありがたいことですよ。お金を落としてくれるのみならず、宣伝までしてくれるんですから。

ちなみにさわやかにはこのコアなファンが多いようで、いつ行っても込んでいます。

【独自のブランドが形成される】

そして、コアなファンの人が増えてくると独自のブランドが形成されてきます。

静岡でさわやかを知らないやつはモグリだ。ぐらいの勢いです。

そうするとどうなるかというと、さわやかが無い地域の人たちがどこからかその情報を仕入れて興味を持ち始めます。

「おい!静岡には静岡にしかない超人気のハンバーグ屋があるらしいぞ!」という具合になります。場合によっては話に尾ひれがつくかもしれません。(ちなみに、私は愛知県民ですがさわやかの評判は愛知県にも届いていて「行ってみたい」って人が周りに結構います)

で、この人たちがさわやかに行きます。そしてその感想を地元で言い触らします。(私のようにね!)そうすると来店客がまた増えます。そしてその中からコアなファンが現れたりします。こうなってくると集中戦略は大成功です。

【集中戦略のポイント】

最後に集中戦略を採るに当ってのポイントを書いておきます。

ポイント1:「浮気をしない」

まずこれが非常に大切です。ついつい商売をしていると「こっちのほうが儲かるんじゃないか?」と思ってしまいますが、その気持ちをぐっとこらえて下さい。一途な想いと強い信念が大切です。

ポイント2:「集中する市場を明言する」

これも大切です。「ウチはここでしか商売しません!」ということを明言することも必要です。そうすると、浮気しにくくなります。あと、従業員さんもこうやってターゲットが明確になると動きやすくなります。

ちなみに桶狭間のときも信長は「狙いは義元の首のみ!」と言ったとか言わないとか…。

ポイント3:「市場の裏づけを取る」

集中戦略を採るためには、決断と覚悟が必要です。集中するってことは言い換えれば「他のことは捨てる」ってことですからね。

そして決断と覚悟をするためには「この市場で商売して大丈夫!」という根拠が必要です。それは、市場の規模であったり成長性であったりお客さんの特性であったりするわけですが、とにかく情報を集めて、「これならいける!」っていう裏づけを自分なりの考えで取る必要があります。

「テレビでやってた」とか「今流行ってるから」とか「誰かがそう言ってたから」という理由で決めたらいけません。

ちなみに、集中戦略はこれまで紹介したコストリーダーシップ戦略や差別化戦略と組み合わせて「コスト集中戦略」「差別化集中戦略」といったように応用することも出来ます。「特定の市場のみでリーダーになる」とか「特定の市場で差別化する」とかいう感じです。この辺りの事例はまた機会があれば紹介します。

ということで、今回はここまで。次回は「シェアをする戦略」について書いていきたいと思います。(私がメルマガを続けている理由の一つも明らかになるかも…)

では・・・。

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