【MPメルマガ 第133回】<戦略編>差別化戦略 ~質の戦略~(2016年11月8日配信分)
こんにちはMPCの外山です。
間もなく紅葉の季節がやってきます。山間部などはすでに紅葉が綺麗なので仕事で通りかかるとついつい見てしまいます。
こういう癒しも必要ですね。
前回予告したように今週は「コストリーダーシップ戦略」と並んで経営学では有名な「差別化戦略」の話です。
先週の話との絡みもあるので、今回の事例も自動車メーカーです。
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今回もいつもの2人の登場です。って、あれ??何か妙な歌が…。
岡崎:「サンド~バッ~グに~♪…たたけ~!たたけ~!たたけ~!♪♪…」
内山:「おっちゃん、おれはもう駄目だ…。チャンピオンには勝てねえ…。このままじゃ、真っ白な灰になっちまうよ…」
岡崎:「諦めるな!まだ方法はある!!立つんだジ○ー!!!」
内山:「なんだって?チャンピオンに挑戦するための戦略があるってのかい???」
岡崎:「そうだ!今からそれをお前に教えてやる!!その戦略を使って打つべし!打つべし!」
内山:「おっちゃん…。って何ですかこれ??中途半端に某有名ボクシング漫画をパクって何がしたいんですか???」
岡崎:「いや、先週王者に挑戦する戦略を説明するって言ったから、「王者に挑戦するぞ!」って雰囲気を出そうと思って…」
内山:「それにしても酷すぎます…。そもそも、これ書いてる”中の人”は元ネタの漫画のこと知らない世代ですよね?最初の歌も歌詞がよく分からないから途中略してごまかしてるし…」
岡崎:「すみません…。悪乗りが過ぎました…。以後気を付けます…」
内山:「(絶対また何かやらかすぞこの人…)」
岡崎:「ということで、今回は”差別化戦略”の話だ!先週話したコストリーダーシップ戦略への対抗戦略の一つ。今回も自動車メーカーの事例で説明していこう」
【メルセデス・ベンツの戦略】
岡崎:「今回取り上げるのはメルセデス・ベンツ」
内山:「高級車の代名詞ですね」
岡崎:「じゃあ、メルセデスが高級なのは何でだ?」
内山:「それは性能がいいからじゃないですか?車好きの人の中には「メルセデス乗ったら他の車乗れない」って人もいますよね?」
岡崎:「そう。メルセデスは基本性能が高い上に、最新技術をどんどん取り入れてくるからね。今発売している車種も自動パーキング機能とか付いてたりするし、エアバックを最初に付けたのもメルセデスだし、4輪にABSつけたのもそうだし、ドアミラーにウインカー付けたのも確かメルセデスだったはず。とにかく他とは性能面で一線を画してくるのがメルセデス」
内山:「そうやって、他と差をつけてくるからあんなにお高く留まってても売れるわけですね」
岡崎:「不景気のときでも当たり前のように1,000万円以上する車売ってくるからね。裏ではどうなってるか知らないけど、表立っては値引きを打ち出してくることはしないからね。あんまり見ないでしょ「今ならメルセデスを買うとキャッシュバック!」みたいな宣伝」
内山:「ローンの金利キャンペーンとかは見た気がしますけど、車そのものはあんまりイメージないな…」
岡崎:「差別化戦略を採ってくる会社は基本的に価格面での勝負はしてこないからね。「お客様、お値段を重視されるのであれば、他のメーカーさんへどうぞ」ぐらいの姿勢でくる。車メーカーじゃないけど、キーエンスって会社知ってる?」
内山:「向上で使う計測機器とかセンサーのメーカーですよね」
岡崎:「あそこの会社一切値引きして来ないでしょ?あそこも圧倒的な性能を売りにしてるから価格面での勝負は一切しようとしないんだよね」
内山:「でも、そうしたら買ってくれる人少なくなりますよね?」
岡崎:「うん。でもいいんじゃない?利益率が高いはずだから。量は減っても質が上がればいいでしょって考え方あと、逆に量が少なくなれば規模も小さく出来るから、固定費も少なく出来るんだよね。これの効果は環境が変わったときに大きいよ」
内山:「チャンピオンと正面から殴り合っても勝てないから、得意のパンチを磨いて戦うってことですね」
岡崎:「そう。得意の右フックで叩け!叩けだ!!」
【性能面以外での差別化】
内山:「でも、差別化戦略って商品の性能が高くないとだめなんですかね?」
岡崎:「いや、そうじゃなくても出来ると思うよ。例えば、レクサスなんかはサービス面に定評あるし」
内山:「なんかレクサスのオーナーはどこのレクサス店に行っても、無料で駐車させてもらえたりお茶を飲ませてもらえたりするという噂が…」
岡崎:「あと高級ホテルみたいな接客とかね。名古屋の星が丘店の話が本になってたな。セレブはこういうサービスに惹かれるみたいだからね」
内山:「あれ?そうすると、前話していた”ホスピタリティ戦略”も差別化戦略と同じ?」
岡崎:「そうだよ。差別化戦略の一つがホスピタリティ戦略」
内山:「他には無いんですか?」
岡崎:「あるよ。車じゃないけど。事務用品でアスクルってあるでしょ?」
内山:「”あしたくる”からアスクルって言うんですよね」
岡崎:「そう。その名の通り、アスクルはすぐに配達することを売りにして商売してるけど、これなんかは納期で差別化した事例だよね。だから、アスクルって価格は安くないけど利便性求めて使う人結構いるんだよね」
内山:「でも、最近はアマゾンが明日じゃなくて”今日”配達してきますよね…」
岡崎:「あー、犬に付けるライオンのたてがみを朝注文したら夜到着するみたいね。納期面での差別化はどんどん競争が厳しくなってきてるから色々皆さん大変だよね」
【差別化を考えるポイント】
岡崎:「じゃあ、今回の最後に差別化を考えるポイントをちょっと説明しようかな。「ウチはどこで差別化すればいいんだろ…」って思ったときに参考にして欲しい」
内山:「お!なんか秘訣でもあるんですか?」
岡崎:「いや、秘訣ってほどでもないけど…。考え方の切り口っていうのかな…」
内山:「教えて下さい」
岡崎:「大まかに言って差別化の切り口っていうのは「品質」「納期」「対応」の3つで考えるといい」
内山:「ほう…。その3つのどこで勝負するかってことですか?」
岡崎:「そう。で、この3つの中で「ウチはどれが得意かな~」とか「どれを伸ばしたいかな」って考えると差別化の軸が作りやすいよ」
内山:「”ストレート系””フック系””アッパー系”どのパンチで勝負するか?みたいな感じですね」
岡崎:「まあ、そんな感じ。あと、注意点だけど、最初はどれか一つに絞ってね。「品質も納期も対応もいいです」みたいな感じにすると「結局どれだよ!」ってなって折角の差別化の効果が薄れるからね」
内山:「差別化するときは「得意なものを”一つ”伸ばそう」って姿勢が大事なんですね」
岡崎:「そういうこと、最初は中々難しいけど、「うちはこれで勝負!」ってものを意識しておくと後々成果が出ると思うよ」
ということで、今回はボクシング漫画をちょくちょくパクりながら話を進めてきました。
次回は「コストリーダーシップ」「差別化」と並んでもう一つ有名な「集中戦略」の話です。
次回もお楽しみに!