【MPメルマガ 第131回】<戦略編>コストリーダーシップ戦略 ~量の戦略~(2016年11月1日配信分)

こんにちはMPCの外山です。

本日で当事務所も3年目に入りました。まだまだ日々ばたばたではありますが、皆様のおかげでここまでやって来られました。

メルマガの読者の方も着実に増加しており、「皆さんがメルマガを読んでくれている」という想いで日々頑張っています。

まだまだ、至らない部分も多々あるので、これからも少しでも皆様のお役に立てるよう日々精進していきますので、今後とも宜しくお願い致します。

堅苦しい挨拶はこれぐらいにして、今週も物語からいきます。

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今日は岡崎さんがちょっと怪訝な顔をしながらやってきました。

内山:「岡崎さんこんにちは。あれ?何か変な顔してますね。何かありました?」

岡崎:「今週も俺たち出番あるの?」

内山:「え?そりゃありますよ。何でそんなこと言い出したんですか?」

岡崎:「いや、先週終わったあと気が付いたんだけど、節目の時期になると”中の人”が突然思いついたように<特別編>ってやるじゃん。あれは今回ないの?書くネタが無いのかな??」

内山:「ネタが無いってことは無いと思いますけどね…。ま、あんまり深く考えずにいつも通りいきましょ」

岡崎:「そうだね」

【コストリーダーシップ戦略】

内山:「今週はフォルクスワーゲン(以下面倒なのでVWとします)とトヨタの話でしたね」

岡崎:「そう。今週は自動車業界の2大巨頭の事例を使って、”コストリーダーシップ戦略”っていう戦略について説明していこうと思う」

内山:「コストリーダーシップ戦略?どこかで聞いたことがあるような無いような…」

岡崎:「経営戦略の本を読むと大抵出てくるよ。アメリカのマイケル・ポーターさんって人が言い出した戦略で、経営学では超有名」

内山:「お!やっと<戦略編>らしくなってきましたね。コストリーダーシップってことは”コスト”がキーになりそうですね」

岡崎:「鋭いね。じゃあ、VWの事例を使いながら説明しよう」

【中身は同じ?VWの車】

岡崎:「内山くん車好きだよね?VWってどんな車種があるか知ってる?」

内山:「えっと、昔はビートルのイメージがあったけど、今だと”ゴルフ”が有名ですかね。あと”パサート”なんてのもありますね」

岡崎:「その2つ中身は同じだよ」

内山:「え?何言ってるんですか??全然見た目違うじゃないですか」

岡崎:「もっと言おう。アウディのA3とA4、TTも同じ」

内山:「???」

岡崎:「混乱しているようだね。実は今言った車種は全部プラットフォームが同じなんだ」

内山:「プラットフォームって言っても車詳しくない人は分からないですよ。説明しないと」

岡崎:「あ、そうだったね。車っていうのは大雑把に分けると、”パワートレイン”って呼ばれるエンジンとトランスミッションの部分と、車の見た目になる”ボデー”と、車の骨格になる”プラットフォーム”って部分で構成されているんだ」

内山:「さっき言ったプラットフォームっていうのは人間で言えば背骨みたいなもんですね。車の基本的な骨格。ってことは、人間に例えるとゴルフとかパサートは見た目は違う人だけど、背骨は同じって解釈でいいですか?」

岡崎:「そういうこと。違う車でも部品は同じですよーってことだね」

【同じ部品を使う理由】

内山:「でも、何で同じ部品を使ってるんですか?」

岡崎:「生産コストを下げるため。同じものをたくさん作ったらスケールメリットが働いてコストは安くなるだろ?その理屈を利用している」

内山:「ほう。なんとなくは分かりますけど、何でたくさん作ったらコスト安くなるんです?」

岡崎:「その辺りの小難しい理屈は次回”中の人”が説明してくれるからそれ読んで。とりあえず、今回は同じものをたくさん作ったらコストが安くなるってことだけ覚えておいて」

内山:「ということは、作る量が増えれば増えるほどコストが安くなりますね。あ、そうか!だから同じ部品を何車種も流用してるんだ」

岡崎:「そう、そうすれば車種は少量多品種でも部品は大量生産出来るようになるからね」

【コストを下げてシェアを大きくする】

内山:「そうやってコストが下がれば、低い価格で販売出来ますね。”価格競争力がある”ってやつですね」

岡崎:「うん。じゃあ、価格競争力が付いて低い価格で販売出来るようになるとどうなる?」

内山:「今までよりもたくさん売れるようになります。「VWは高いから…」って思ってた人も買ってくれるようになります」

岡崎:「そう。販売シェアが大きくなるね。じゃあ、シェアが大きくなってたくさん売れると何が起こる?」

内山:「生産量が増えます。そして、よりコストが下がります。コストが下がったらまたシェアが大きくなりますね」

岡崎:「こうやって”スケールメリットでコスト下げる⇔シェア拡大する”を繰り返していく戦略を”コストリーダーシップ戦略”っていうんだ」

【トヨタとスズキの提携の話】

岡崎:「そういえば、ちょっと前にトヨタとスズキが提携するってニュースあったよね?」

内山:「それ見ました。でもちょっと意外だな~。トヨタはダイハツがグループ会社じゃないですか?それをライバルのスズキと手を組むなんて…」

岡崎:「多分あれも、今回の戦略が関係してるよ」

内山:「え?そうなんですか??」

岡崎:「そう。トヨタは今”TNGA”っていう共通プラットフォームを推進してるのは知ってるよね?」

内山:「前にCMで見ました」

岡崎:「トヨタはそれをスズキの車種にも利用しようとしていると思う。スズキっていうと軽自動車のイメージあるけど、”スイフト”みたいな小型車も作ってる。ってことはスイフトにヴィッツとかパッソみたいな小型車のプラットフォームを使ってもらえばトヨタ単独でやるより効果は高いわけだ。しかも、販売はスズキがやってくれるから販売コストは少なくて済む」

内山:「スズキにとっても自分のところでプラットフォーム開発したり生産したりしなくていいわけだからメリットはありますね」

岡崎:「さらに、ダイハツとスズキで軽自動車の部品も流用することも出来るしね」

内山:「でもライバル同士で抵抗はないのかな?」

岡崎:「どうだろうね…。でも、そんなことも言ってられないんじゃない??今までのしがらみがどうであろうと合理的に考えてメリットあるなら提携でもなんでもしないと。実際にVWだけじゃなくて海外のメーカーはどんどん巨大化してるし」

【業界リーダーのみに許される戦略】

内山:「コストも下がってシェアも大きくなればどんどん儲かりますね。いいなー。ウチもやりたいな」

岡崎:「って思うでしょ?でもこの戦略は業界リーダーの企業にしかお勧め出来ないよ」

内山:「えー、何で???」

岡崎:「今回の戦略は”たくさん作る”ことが前提だったよね。たくさん作るってことはそれだけ受注を確保出来てないとだめだよね。そうなってくると業界のリーダーが有利。そもそも、業界で一番の受注が確保出来るからリーダーって呼ばれるわけだからね。それに、今回の戦略はそれなりの大規模な投資が必要なんだ。ってなってくると体力がある会社じゃないと出来ない」

内山:「2位3位で挑みかかるとどうなるんです?一番じゃなきゃだめなんですか?」

岡崎:「1位2位3位が僅差ならいいけど、圧倒的な差が付くと負けるね」

内山:「一番じゃないとだめなんですね…」

岡崎:「昔なんかそんな台詞あったね…。話それるけど、俺はあの時「一番じゃなきゃだめなこともあるんだよ!」って思ってたけどね。実際そう思ってた人多いと思うけど。ちなみに今回のコストリーダーシップ戦略を俺は個人的に”王者の戦略”って呼んだりしてるよ」

内山:「確かに業界トップの王者が使える戦略だ…。でも、その王者に挑戦する戦略はないんですか?」

岡崎:「あるよ。その話は次回します」

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