【MPメルマガ 第131回】<戦略編>ホスピタリティー戦略 その3 ~ディズニーのキャストの話~ (解説)(2016年10月27日配信分)
こんにちはMPCの外山です。
秋が深まってまいりました。おいしい秋刀魚が食べたいと思う今日この頃です。
さて、ディズニーの話も今回で終了です。前回の物語の中でもありましたが、ホスピタリティ戦略の鍵は組織=人です。
ということで、先週はその人がどう動いたらいいのかということを示すための行動基準の話でしたが、今週はディズニーの組織のもう一つの特徴の”キャスト”の話です。
【自分の役割を与えてそれを認識させる】
組織の中で人に動いてもらうためには、一人ひとりに「あなたはこれをやってください」という役割を与えて、それをしっかり認識してもらうことが重要だと思います。
どんな小さなことでも役割を与えられると責任感が生まれます。そして、当事者意識も生まれます。
例えば、会社でも町内会でもPTAでも何でもいいですが、それまでなんとなーく参加していた組織でも何かしらの役割をもらうと「しっかり働かなきゃ!」って気になりませんか?
人間には”承認欲求”というものがあります。「誰かに認められたい」っていう気持ちですね。これが満たされるとその承認されたもののために人は動きます。逆に承認欲求が満たされないとやる気をなくしたりします。
「役割を与える」ということはこの承認欲求を満たす行為になるので、役割を与えられると人は「働こう」って気持ちになります。
【ディズニーのキャスト】
「役割を与える」っていうだけなら結構どこでもやっていますが、その「役割を与える」っていう行為の効果を高めるために、ディズニーはそれぞれの役割に独自の名前をつけることにしました。
前回紹介した「カストーディアルキャスト」とか「クラークキャスト」とかがそれです。
別に役割を与えるだけなら、「清掃員」とか「事務員」って言っておけばいいような気もします。が、ディズニーが求めている役割を従業員の人たちに果たしてもらうためには一般的な名称ではダメだったんでしょう。
また、独自の名前を付けることでお互いの役割を尊重し合えるようになって、対等な目線でお互いの仕事を見られるようになっているとも思います。
これ結構重要で、対等な目線でお互いの仕事を見ることが出来れば、「あいつが頑張っているんだから俺も!」って思うことが出来ます。そうなってくれば、皆がまとまって行動出来るようになります。
こんな効果がディズニーのキャストにはあると考えています。
【ホスピタリティ戦略の鍵は組織にあり】
ホスピタリティを提供して「また来るね!」って思わせて何度もリピート利用してもらって、収益を確保する。
これがホスピタリティ戦略の基本的なビジネスモデルでした。
このビジネスモデルは大きな設備投資も必要ないですし、特別なひらめきやアイデアも必要がないので、やろうと思えば比較的簡単に始められます。
ただ、それを継続させるとなると大変です。ホスピタリティ戦略を継続させて、安定的にビジネスを行っていくためには、
それを支える組織が必要です。
今回事例として紹介したディズニーには組織作り・人作りを行う上でのヒントがたくさんあります。書籍やインターネットなどで情報も多く得られますので、興味がある方は調べてみて下さい。
全ては無理でも一部なら組織作りのヒントとなる情報があるかもしれません。
ということで、今回はここまで。
次回はフォルクスワーゲンとトヨタの話です。
では…。