【MPメルマガ 第125回】<戦略編>クロスセルで売る ~ご一緒にお飲み物はいかがですか~ (解説)(2016年10月6日配信分)
こんにちはMPCの外山です。
10月に入りました。今年の紅葉はどこに見に行こうかなと悩んでいる今日この頃です。
前回からクロスセルの話です。マーケティングの基本的な手法なのでマーケティング編の第2段で紹介してもよかったですが、いつになるか分からないので、今回紹介しておきました。
【”ついで買い”をさせる手法 クロスセル】
今回紹介した「クロスセル」という手法ですが、結構頻繁に色々なところで行われています。
分かりやすいのが前回紹介したファストフード店ですね。ハンバーガー買ったら”ついでに”ドリンクとかサイドメニューを買わされるってやつです。
理屈としては簡単です。1点買ったらついでに2点・3点別のものを買ってもらうだけですから。「もしよかったらこちらの商品も一緒にいかがですか~」って言うだけです。比較的簡単に出来るので、小さいお店とかでもやろうと思えばすぐ出来ます。
【クロスセルのメリット】
で、このクロスセルは何のためにやるかというと、「客単価アップ」です。
仮にファストフード店で1個300円でハンバーガーを売っているとして、ハンバーガーだけを売ると客単価は300円です。でも、ついでに100円のドリンクも買ってもらえれば、客単価は300円+100円=400円にアップします。
ポイントは「別の商品を買ってもらって単価を上げる」ってことです。
客単価を上げようとして(300円を400円にしようとして)、ここでハンバーガーを400円にしてしまうと「値上げしやがった!」とか「高いな~」って思われてしまいます。
ですので、ドリンクとかサイドメニューをつけて”お値打ち感”を出しながらさりげなーく客単価を上げます。
【追加購入にはお金を出しやすいという心理】
人間不思議なもので、0からお金を払うことは渋りますが、一度お金を払ってしまえば最初よりも抵抗感なくお金を出します。
例えば、300円のものを買うとして0円から300円を使おうとすると「300円かぁ…。止めとこうかな…」となりますが、すでに1,000円払っていたとすると…。「300円ぐらいならいっか」って思い始めます。
スーパーで買い物をすると、最初の野菜・果物エリアでは「イチゴが350円か…」って思って買い渋っているのに、終盤の乳製品エリア辺りに来ると同じ価格帯のバターとかヨーグルトとかをガンガンかごに入れたりしますよね?そして、最後のレジ横のチョコレートにいたってはほぼ無意識に入れたりします。あの心理状態です。
この心理状態を利用して少しでも客単価を上げてやろうというのがクロスセルの狙いです。
【クロスセルのポイント】
では、クロスセルをやる上でのポイントです。
①関連商品を売る
ポイントその1は「関連商品を売る」です。当たり前と言えば当たり前です。ついでに買わせるのが狙いですから、メインの買い物と(こじつけでもいいから)何らかの関連性は必要です。
ファストフード店でハンバーガーを買ったのに「チーズバーガーもいかがですか?」って言われても「いらねーよ!」ってなりますからね。
「ハンバーガー食べたらのどが渇くからドリンク」
「食後のデザートにお菓子」
「ファンデーションと一緒に乳液」
とか組み合わせはいろいろあります。専門用語で言うと”補完品”と呼ばれるものがクロスセルしやすいと思います。
②メインの商品よりも安いものを売る
これも当たり前と言えば当たり前です。ついでに買わせるんですから、メインの商品よりも高いものだとよろしくないと思います。
どれぐらいの値段がいいのかは個人によって違いますし、商品の絶対額にもよると思うので、なんとも言えませんが、私個人の場合はメインの商品の1割~3割ぐらいの値段だったら抵抗感なく買うかな~って思います。
③「さりげなーく」が大切
あと、売り方ですが、あまりガツガツ売り込まないほうがいいと思います。「もしよかったらどうですか~」みたいな感じのほうが買う側としては買いやすいです。「せっかくだから、これも付けちゃいましょう!」みたいな話の流れで持っていってもよいかと思います。いずれにせよ、”流れ”が大切です。これをぶった切ると成功しませんのでご注意を。
④買う理由をアピール
クロスセルをすると追加の商品を買いやすくなるとは言え、それなりに「なんで買わないといけないの?」っていう理由は必要です。私みたいに面倒な客が来るといけませんからね。なので、簡単でいいので
「セットで買うと安くなります」とか「こっちも買ってもらえるとメインの商品がさらに引き立ちます」とかそれらしい理由は考えておきましょう。
ちなみに、クロスセルって言うと小売とかサービス業の方向けのような感じもありますが、やり方によっては製造業でも出来ますよ。
昔バイヤー時代に製品を発注すると、「これついでにこっちの製品もやらせてくれたら多少値段考えるよ」って言って2点・3点受注しようという営業をしてくる社長さんがいました。(そこはあまりおいしくない仕事でもセットなら引き受けてくれたので、本当にありがたかったですが)
ということで、今回はここまで。先週のアフターマーケットよりも手軽に出来ると思うので、試してみようと思われる方は
ちょっとやってみてください。
来週はディズニーの話をしようと思っています。
では・・・。