【MPメルマガ 第272回 】<サウスウエスト航空>航空業界の異端児 その5 ~レシートをチケットにしていた航空会社~(2018年11月21日配信分)

こんにちは、MPCの中の人です。

突然ですが、11月27日~12月6日まで海外に行って来ます。

何をするのかは下で説明します。

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内山:「今月末から海外ですか?」

中の人:「そうです。海外視察に行って来ます」

岡崎:「おーい、視察じゃないだろ~。旅行だろ?旅行???」

中の人:「いや、視察ですよ…」

岡崎:「じゃあ、何を視察してくるのか言ってみろよ」

中の人:「南半球の経済事情を調査してきます!他にも海洋生態系の調査とか天体の動きとかそんなことを調査してきます。あと、B-787の乗り心地の調査」

岡崎:「お前、何の仕事してるんだよ…。『買い物とホエールウォッチングと天体観測』してくるんだろ?遊びだろ遊び」

中の人:「…いや、こうやって集めた情報が今後メルマガのネタになるんですよ」

岡崎:「無理しなくていいから、まあ、楽しんで来てよ」

中の人:「はい!」

内山:「やっぱり遊びに行くんだ…」

【チケットがおかしい航空会社】

内山:「海外と言えば、今時は飛行機に乗るときに紙のチケットは要らないんですね」

岡崎:「今はeチケットがあるからな。昔みたいな仰々しいチケット無くても飛行機に乗れる」

中の人:「サウスウエストの場合は、昔から仰々しい紙のチケットは無かったみたいですけどね」

内山:「へ?ってことは昔からチケットレスだったんですか?」

中の人:「厳密にはチケットはありましたよ。ただ、私たちがイメージするようなものじゃなかったみたいです」

内山:「じゃあ、どんなチケットだったんですか?」

中の人:「レシートです」

内山:「レシート???」

中の人:「そう。どうやらレシートを『はい。これがチケット』って渡していたみたいです」

内山:「マジで?何でそんなことを???」

岡崎:「コスト削減のためだろ?」

中の人:「そうです。チケットを発行するシステムって結構お金が掛かるみたいです。私が見た資料だと80年代にサウスウエストがチケット発行システムを導入する検討をしたとき、必要な投資額は数百万ドルだったらしいです」

内山:「そんなに掛かるものなんだ…」

岡崎:「専用端末とか必要だからな。専用の紙とかもいるだろうからトータルではもっとコストが掛かると思う」

中の人:「だから、サウスウエストではチケット発行システムにお金を掛けずにレシートで事を済ませていたらしいです。ただ、お客さんの中にはチケットだと気が付かずに捨ててしまった人も結構いたらしいです」

内山:「まあ、そうなりますよね…。その問題はどうやって解決したんですか?」

中の人:「チケットに大きく『これはチケットです!』って書いたらしいです」

内山:「そんな方法で解決を…」

中の人:「それがサウスウエストです。『チケット?そんなもん紙に何か書いてあればいいだろうが。だったらレシートでOK!!』『レシート捨てた?だったら、レシートに”チケットです”って書いとけ!』こういう単純な発想で仕事をしてしまうのがサウスウエストの凄さ」

【搭乗券もちょっとおかしい…】

内山:「レシート使うのは分かりましたけど、搭乗券はどうするんですか?飛行機に乗るとチェックイン後にチケットの半券を搭乗券としてくれますよね?それもレシートで代用ですか???」

中の人:「そこはプラスチック製のカードを使います。チェックインするとプラスチックのカードを『はい。これ搭乗券』って渡されるのでそれを搭乗券として使います」

内山:「プラスチックのカード?チケットにはお金掛けないのにそこはお金掛けるんですか?」

岡崎:「そのプラスチックのカードは使い回すけどな」

内山:「使い回す???」

中の人:「飛行機に乗るときにカードを回収して、それをまたチケットカウンターに持って行って次の便の乗客にまた『はい。これ搭乗券』って渡す訳です」

岡崎:「プラスチックのカードなら何回も使えるから搭乗券の材料費が節約出来てお得」

中の人:「今はオンラインで搭乗券が発行されるみたいですけどね」

内山:「だけど、乗客の人はどうやって飛行機の中で座席の確認するんですか?オンライン発行ならいいですけど、回収式のプラスチックカードだと、乗客の手元に搭乗券は無いわけだから、乗客が飛行機の中で『座席どこ???』ってなりますよ」

中の人:「あー、それは問題無いです。というかサウスウエストでは『座席どこ?』問題は発生しません」

内山:「何で?」

【座席はもっとおかしい…】

中の人:「そもそもサウスウエストには”座席指定”という概念が存在しません。
全席自由席です。『お好きな場所をどうぞー』っていうのがサウスウエストのスタンスです」

内山:「何それ?…ってことは座席は早い者勝ちってことですか?」

岡崎:「そういうこと。チェックインした順番に飛行機に乗って、後は座席争奪戦。さっき”搭乗券”って言ったけど、実質的には飛行機に乗れる順番が書いてある”整理券”みたいなものだな」

中の人:「だから、飛行機の中で『おい、ねーちゃん。俺の座席はどこだ?』っていうおじさんを目撃することもありません。でも、ご安心下さい。ちゃんと搭乗客全員の座席は確保してありますので。チェックインが遅いと2人分の座席を使うような体の大きな人の隣になって、『これなら立っていた方がマシ…』ってなるかもしれないですけど」

内山:「座席ぐらい指定すればいいのに…。何で全席自由席なんですか?」

中の人:「これは推測ですけど、その方が搭乗がスムーズなんじゃないですかね。座席が指定されていると、座席を探す時間も掛かるし、座席が決まってる安心感からなかなか席につかない人もいるじゃないですか」

岡崎:「あと、いつまで経っても搭乗口に現れない奴とかな…」

内山:「そっか、自由席にしたら皆良い席取りたいから早く飛行機に乗って座ってくれるわけか…」

中の人:「前回話したようにスタッフが皆で協力して出発準備を整えても、乗客が席に付くのが遅かったら10分間ターンは出来ないですからね」

岡崎:「あと、チェックインの順番で飛行機に乗れるからチェックインも早く終わるよな」

内山:「なるほど~。でも、こうやって話を聞くとレシート状のチケットとか、プラスチックの搭乗券とか実際に見てみたくなりますね」

中の人:「残念ながら、レシート状のチケットとかプラスチック搭乗券はもう体験出来ないみたいです。搭乗券の話のところで少し触れましたけど、今はオンライン化してしまっているので…。座席争奪戦は今でも変わらないですけど」

内山:「そっか…残念」

岡崎:「オンライン化と言えば、大手で最初にチケットレス化したのはサウスウエストらしいぞ。95年にはすでに現在のeチケットと同じことをやっていたらしい」

内山:「95年に?アナログなことをやっていたと思ったら次は最先端のことですか…。良いと思ったらどんなことでも取り入れてしまうんですね」

中の人:「それが、サウスウエストの凄さであり、面白さでもあります。次回も風変わりなオペレーションの話をします」

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