【MPメルマガ 第70回】経営に役立つ名言2 ~「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」~(2016年3月9日配信分)
こんにちは、MPCの外山です。
以前書いた確定申告の件ですが、案の定まだ終わっておりません…。(あとちょっとなんですよ。だけどその”あとちょっと”が…)
一応今回で単発ネタは終了です。当初「真田丸」で終わる予定だったのですが、とあるニュースを見て書いておきたいことがあったので、急遽今回まで単発ネタにします。
テーマとしては以前やった「経営に役立つ名言」の第二段です。
【「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」】
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。」
はい。今回はいきなり古典の授業みたいな感じです。皆さん上の文章ご存じですか?”平家物語”の冒頭の文章です。多分中学か高校の時にやっているはずです。
意味は「世の中にずっと続くものは無いよ」ということです。(実際はもっときちんと訳がありますが、このメルマガは古典メルマガではないので簡単にしときます。”祇園精舎”とか”沙羅双樹”とか”諸行無常”とか細かい言葉の意味が知りたい方はグーグル先生に聞いて下さい)
平家物語はこの文章から始まって繁栄を謳歌した平家の没落を描くことがテーマです。(「平家物語って何だ?」って方もグーグル先生に…。)
【今が調子いいからと言って、それが未来永劫続く訳ではない】
今回この「祇園精舎の…」という言葉で何が伝えたいのかというと…。
『今が調子いいからと言って、その状態がこれからも続くと思うな!』
ってことです。もうちょっと具体的に言うと…
「ウチは大手の会社から仕事をもらってるから大丈夫だよ」とか
「今○○が流行してるから大丈夫」とか
「大手に就職したから将来安定だ」とか思うな。ってことです。
世の中には「寄らば大樹の陰」という言葉があります。私はこの言葉が嫌いです。というか信用していません。なぜなら、いくら大樹でも傾いたり、倒れたりすることがあるからです。
「いやいや、またお前は極端なことを言う…」と思われるかもしれませんが、こんなことよくありますよ。
【傾いたり、倒れたりした”大樹”】
世の中には世間から”大樹”だと思われていたのに、傾いたり、倒れたりしてしまった企業がいくつもあります。
一番記憶に新しいのは”シャープ”です。先月ホンハイの支援を受け入れましたね。(冒頭に書いた”とあるニュース”とはこのことです。)
今シャープは大変な状況ですが、10数年前は違いました。当時私は就職活動中だったのですが、液晶が絶好調で「世界の亀山モデル」とか言われて、電気業界でシャープは完全な勝ち組企業でした。
東京電力もそうです。東電と言えば絶対安泰。就職先としても取引先としても投資先としても非常に魅力的でした。でも、5年前からそうではなくなりました。
他にもJAL、拓銀、山一証券、カネボウ、ダイエー等々あります。前回まで書いていた「真田丸」の時代でも、織田家、武田家、豊臣家、最終的には徳川家も”大樹”だと思われていたのに傾いたり、無くなったりしました。
私が「寄らば大樹…」という考え方を信用していない理由がお分かり頂けましたか?逆に言えば「諸行無常」とか「成者必衰」という考え方をどこかに持っておかないと危ないんです。
【明日突然今の状況が変わったらどうなるか?どうするか?】
で、以上を踏まえた上で少しでも考えておいて頂きたいことがあります。
『明日突然今の状況が変わったらどうなるか?どうするか?』
ということです。例えば…
「突然親会社から取引の縮小を言われた」
「今まで売れていた商品が売れなくなった」
「経済危機が訪れた」
この場合に自分はどうなるのか?そして、それに対してどう行動するのか?ということを少しでも考えておいて頂きたいです。そして、何か準備出来ることがあれば少しでもやっておいて頂きたいです。
これが出来ている会社や人は苦しいながらも何とか立て直すことが出来ると思います。でも、出来ていない場合は「あの出来事が起こらなければ…」とか「○○が悪い…」とか言う発言をただ繰り返すことになります。
そうならないためにも、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。」という言葉を心に刻んでおきましょう。
ということで、今回はここまで。
次回からは新シリーズ<組織編>に入ります。
では・・・。