【MPメルマガ 第183回】信長に学ぶ経営その6 ~信長の人材育成 その2~(2017年5月25日配信分)
こんにちはMPCの外山です。
夏頃から色んなプロジェクトが一斉に動き出しそうです。冬場に蒔いた種が目を出してきているわけですが、何というか、芽吹くタイミングが一斉でどうしようって思っている今日このごろです。
さて、前回から信長の人材育成ということで、信長の家臣への接し方などの特徴の話をしているわけですが、前回話せなかった特徴があと2つあるので、今回はその話から…。
【特徴5 意外と細かい気遣い】
合理主義者で冷酷なイメージが先行している信長ですが、意外と細かい気遣いもしてます。
有名なのが秀吉の奥さんの”ねね”に送った手紙です。
秀吉は女好きで有名ですが、あるとき奥さんのねねがその浮気性っぷりに拗ねて夫婦喧嘩状態になったことがあります。
その時に信長はねねに対して…
「あなたは非常に綺麗な女性です。そんな人を奥さんにしておきながら、秀吉が色々と不満を言うのはけしからん。秀吉があなた以上の女性を見つけることは今後出来ないから、あなたは陽気に振舞って嫉妬に振り回されたりしないように」といった内容の手紙を出しています。
で、この話で何が言いたいのかというと、「部下の細かいところまでしっかり見ていて、フォローが出来ていた」ってことです。
前回、信長は「過酷な仕事を課すけど、その分評価もしっかりする」って話をしました。ここで問題になるのが、”評価”の説得力です。
ここで1つ質問ですが、自分の仕事を普段からよく見てくれている人から「よくやった!」って言われるのと、そうじゃない人から言われるのとでは、どちらがうれしいですか?どちらが「評価されている」って実感出来ますか?
前者ですよね。逆にマイナス評価をされるときも、普段から自分のことを見てくれていると感じられる人からの評価であれば、反省したり改善したりしますが、そうじゃないと反発したくなります。
このように評価というものは、普段からどれだけ相手のことを見ているか(見ていると感じさせられるか)によって、効果が違ってきます。
【特徴6 あだ名を付ける】
これは上の特徴5に関連していますが、信長は人にあだ名を付けることをよくやったそうです。人の特徴を捉えてあだ名を付けたというエピソードが結構あります。(真相は諸説ありますが、こういうエピソードが語り継がれるってことはそういう傾向があったんだと思います)
このことからも信長は人のことを見ていたんじゃないかと私は思っています。
あだ名っていうのは、相手のことをよく見て特徴を捉えないとつけられないですからね。
【やらせて、考えさせて、評価する】
では、最後に信長流の人の育て方をまとめます。「やらせる。考えさせる。評価する」です。
「え?それだけ??」って思うかもしれませんが、それだけです。特に非定型業務が多くなる人ほど、このサイクルをぐるぐる回さないと育たないと思うんですよ。
ただ、それぞれのプロセスでポイントはあるので、それを説明しておきます。
「やらせる」
まず仕事をとにかくやらせてみましょう。出来る/出来ないは後です。というか出来ないことを出来るようにするのが育てるってことなので、「出来ないから…」とか言ってたらいつまで経っても人は育ちません。
ただ、やらせる前に方針は少なくとも伝えておきましょう。
「考えさせる」
問題にぶち当たったらどうすればいいのか、まず自分で考えさせましょう。ここでどれだけ自分で考えられるかが成長のポイントです。
「評価する」
仕事の評価はきちんと相手に伝わる形でフィードバックしましょう。これがないとやる気も出ないですし、良い/悪いも分からないので次につながりません。
あと、きちんと評価するために相手の仕事ぶりをきちんと見ておきましょう。相手をしっかり見ておけば、評価の説得力も増しますし、相手がどんな評価を求めているのかも分かります。
特にこの評価するのプロセスはやれているようでやれていないことが多いので、信長ぐらい分かりやすい形でやってもいいと思います。
ということで、信長の人材育成の話はここまでです。秀吉や光秀のような人材を育てた信長は彼らを使って次のステップに進んで行きます。
次回は急成長を遂げた後期織田軍の話をします。
では・・・。