【MPメルマガ 第180回】信長に学ぶ経営その3 ~普通の人を兵士にしろ~(2017年5月16日配信分)

こんにちはMPCの外山です。

5月も中旬なので日によっては暑いことがありますね。そろそろ半そでを出してもいいのかな~。なんて思うことも度々です。5月は紫外線も強いので、特に女性の方々はお肌のケアに気をつけて下さいね。

さて、今回も織田信長の話です。

前回、桶狭間の話をして最後に「桶狭間のときのような戦略は使わなくなりましたよ」という話をしました。今回はまず、桶狭間後の信長の戦略の話から始めようと思います。

【桶狭間モデルからの転換】

桶狭間の合戦で大勝利を収めた信長ですが、その後は桶狭間のように小良く大を制す的な戦略は採らなくなります。

それはなぜかいうと、「リスクが高い」からです。

桶狭間の戦いは大勝利に終わりましたが、考えてみるとあの戦略って色々な諸条件が整わないと成立しませんよね?

例えば
「義元が桶狭間ではなく、見晴らしの良い平野部に本陣を構える」
「義元が休憩中でも、警戒態勢を整えている」
みたいな状態になっていたとしたら成功の確率はぐっと低くなるわけです。

となってくると、いつまででも桶狭間の成功事例に酔いしれているわけにはいきません。「俺はあの方法で勝ったんだ!」って言って成功事例に囚われているといつか足元をすくわれるときがやってくるかもしれません。

そこで、戦略の転換を行います。勝つべくして勝つ王道の戦略を目指します。王道の戦略とは「規模を拡大して規模で勝負する」です。

前回も言いましたが、古今東西競争においては資源の量を多く投入出来る方が優位なわけです。正直皆これが出来ないからいろいろと工夫をするわけで、規模で優位性が持てればそれに越したことは無いわけです。

ということで、信長は規模の拡大して組織を大きくし始めます。ところが、そうなってくると一つ大きな問題が…。

【普通の人を兵士にする】

組織を大きくしていくと当然”人材”を確保しないといけません。特に当面必要なのは兵士となる人たちです。

ということで、領地から兵士を集めるわけですが、彼らの多くは農民です。兵士と言っても別に槍や弓の達人ではなくて、普段は畑仕事をしている”普通の人”たちです。いざ合戦となった場合、織田軍はこの普通の人たちを引き連れて戦わないといけません。

さあ、困りましたよ。これから信長が戦う相手は槍や弓の達人を多く抱えているかもしれません。特に甲斐の武田軍あたりは戦国最強と呼ばれているので、強い兵士をたくさん抱えていそうです。そんな相手に普通の人の寄せ集めみたいな織田軍が勝てるのか?

このままじゃ勝てませんね。何とかして普通の人たちを強敵と戦えるだけの兵士にしないと…。そこで信長はこう考えました。

「個人の力が弱いなら、集団で戦えばいい」

そう。個々の技能に頼るのではない戦い方をするようになります。それを実現するために彼はある武器を使いました。その武器は「長槍」といいます。

【長槍とその使い方】

信長が採用した「長槍」とはその名の通り、長い槍です。何のひねりもありません(笑)

普通の槍の長さが1.5間(約2.7m)なのに対して、この長槍というのは3.5間(約6.4m)あります。大体2.5倍ぐらいの長さです。6.4mっていうと大体2階建ての家の屋根の軒下ぐらいです。実際私は現物を見たことがありますが、とんでもない長さですよ。

「そんなもんどうやって使うんだよ?そもそも長すぎて相手を突けないだろ??」って思うかもしれないので、使い方を説明します。

長槍の使い方ですが、まず何人かでチームを組みます。そして、敵が近づいてきたら槍を一斉に前に突き出します。槍の穂先で壁を作るイメージです。

そうすると、長さが6mあるので、6m以下の距離には相手は近づいてこれません。このとき相手を刺す必要はありません。「おらおらどうした~。近づけないだろ~」みたいな感じで相手が近づけないことをいいことに、こちらは相手を槍でツンツンします。そうすると相手は段々疲れてきます。

そして、相手の動きが鈍くなったら、槍を振り上げて相手を叩きます。6.4mもある槍で叩かれたらとんでもないことになりますよ。重さもかなりありますし、振り下ろしたときの遠心力もすごいですから。(ちなみに、この戦法は「雑兵物語」という本に書いてあります)

で、この長槍を使った戦法のポイントは…。「誰でも出来る」ってことです。通常の槍だとそれなりの技能が必要ですが、この方法であれば、「槍を前に突き出して」「振り上げて」「叩く」だけなので誰でも出来ます。普通の人でもすぐに兵士として戦えるってことです。

ちなみに、以前NHKの番組で長槍の威力を検証する番組があって長槍を持った大学生5人ぐらいvs槍の達人の対決をしていましたが、大学生が勝ちました。

で、ここからは今回話をした事例を現代に応用するとどうなるのか?って話をしようと思いましたが、長くなるのでその話は次回します。

では・・・。

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