【MPメルマガ第286回】<任天堂>家庭用ゲーム機の失敗と成功 その4 ~巻き返し~(2019年3月20日配信分)

こんにちは、MPCの中の人です。

春です。この時期になると卒業・入学の話題が出てくるので、さわやかな気持ちになってきますね。

花粉さえいなければ…

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中の人:「今日はお詫びがあります」

内山:「あれ?いきなりなんですか?」

中の人:「前回の最後に、『家庭用ゲーム業界全体を巻き込む問題が…』みたいな話をしたのですが、あれ良く考えたら今回の話が終わったあとのことでした。今回の話は2000年代後半の話。家庭用ゲーム機業界全体の問題の話は2010年代からの話でした」

内山:「あ、そうなんですね。じゃあ、今回はどんな話を?」

中の人:「任天堂の巻き返しの話をします」

【MS・ソニーの技術競争】

岡崎:「前回はソニーのPS2が大ヒットしたってところで話が終わったな。あれが2000年代前半の話だっけ?」

中の人:「そうです。そして2000年代後半に入ると、ソニーがその後継機であるプレイステーション3を発売します」

岡崎:「Xboxでゲーム機市場に参入してきたマイクロソフトもXbox360っていう後継機を出してきたよな」

中の人:「そうです。そしてこの2社はゲーム機の性能競争をします」

内山:「ソニーとマイクロソフトですからね。技術力にはプライドもってそうだ…」

中の人:「やれCPUやGPUがどうだの、メモリがどうなのとか、他の機器と接続出来るだのそういうことを競うわけです」

内山:「なんかPCの競争みたいですね」

中の人:「まあ、PCを売っているのと変わらないですよ。というか、このころになるとPCと家庭用据え置きゲーム機の差なんて見た目ぐらいしかないですからね」

岡崎:「たださぁ、一つ思うんだけどユーザーの俺たちってそこまでゲーム機に性能求めてたかなぁ?」

中の人:「そこです!私もPS3買ったんですけど、正直『性能が良くなったらしいけど、だから何?』って感じでした。グラフィックが綺麗になったけど、それ以外にいいところがあったかと言えば、疑問でした」

内山:「ガチでゲームやっている人にとっては大きな違いがあるんでしょうけど、僕らみたいな普通の人には正直違い分からないですよね…」

中の人:「そうです。私は廃人か?ってぐらいゲームをやっている人を”ガチ勢”私みたいに毎日ちょこっとだけやる人を”ライト勢”と呼んでいるんですが、そのライト勢がこのころから置いてけぼりになってしまったんですよね…」

岡崎:「ファミコン・スーファミ・PSまではライト勢も楽しめたのにな…」

【任天堂の巻き返し 『Wii』登場!】

中の人:「しかし、そんなライト勢に目を向けた任天堂はここで新たなコンセプトのゲーム機を2006年に投入します。その名も『Wii』」

内山:「おお!ついにWiiが出てきた。あれ、結構売れたんですよね?」

中の人:「世界累計販売台数1億台を超えています」

岡崎:「PS2並みだな。ちなみにPS3とXbox360はどれくらい売れたの?」

中の人:「同じ時点でそれぞれ約8,000万台程度です」

内山:「トップシェア。やったね!任天堂!!」

中の人:「それだけじゃないですよ。2,000万台と3000万台販売のスピードは歴代ゲーム機最速。5,000万台出荷のスピードもPS2を超えました。総売上ではPS2に勝てなかったですけどね」

内山:「でも、すごいですね。だけど、それだけヒットした要因は何ですか?」

【Wiiの成功要因】

中の人:「Wiiの成功要因は『ライト勢をターゲットにした』ということにあると言われています」

内山:「具体的には?」

中の人:「まずは『性能を抑えて価格を安くしたこと』。Wiiは性能自体はPS3やXboxよりも劣っているんですよ。詳しい性能は分かりませんが、CPUなんかは前世代のXboxと同じらしいです」

岡崎:「ユーザーが使いこなせないオーバースペックなものを高い値段で提供するよりも、ユーザーに合った性能のものをお求め易い価格で提供したってことだな」

内山:「ちなみに、Wiiの価格っていくらぐらいでしたっけ?」

中の人:「販売価格は20,000円ぐらいだったと思います。PS3とXbox360は大体40,000円~50,000円ぐらい」

岡崎:「20,000円ぐらいならお父さんも子供に買え与え易いよな。ライト勢向けの価格だ」

中の人:「あと、『手軽にゲームが出来るようにした』っていうのも大きいです」

内山:「ん?どういうことです?」

中の人:「えーと、2000年以降に入ってからのゲームってゲーム機の性能が上がった分、ゲームが複雑になって操作が難しくなったんですよね。昔みたいに『AボタンBボタン押したらオッケー!』って感じじゃなくなったから取っ付き辛くなってしまった」

岡崎:「確かに素人には何が何だか分からない…。全然ゲームやったことがない人が『ちょっとやってみよう』って気にはならなくなったな」

内山:「ライト勢向きではないですね…」

中の人:「ところが任天堂Wiiは操作がシンプルなゲームが多い。コントローラー降ったらテニスゲームが出来るとか、マリオが動くとかそんな感じのゲームを出しました。世界観も取っ付き易いから『家族でゲームやろう』とか『友達で集まってゲーム大会しよう』とかそんなことが出来るようになった」

岡崎:「なんか、ファミコン時代に帰ってきたみたいだな」

中の人:「そうです。ファミコン時代のゲームの楽しさをもう一度体験させてくれるゲーム機。それがWiiだったと思います。そして、そうやってライト勢にもう一度ゲームの楽しさを訴求することが出来たことがWiiの成功要因だったと思います」

内山:「Wiiはライト勢が買い易く、使い易いゲーム機だったからあれだけヒットしたってことですね」

中の人:「そうです」

岡崎:「そうやって考えると、商品の性能を高性能にすることが必ずしもヒット商品に繋がったり、ユーザーにとって良いものになるとは限らないって思うな」

内山:「そうですね。任天堂のWiiの事例は『ユーザーが何を求めているのか?』ってことを考えることの大切さを改めて認識させてくれますね」

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