【MPメルマガ 第60回】<マーケティング編>パート18 お客さんとイメージを共有する (2016年2月2日配信分)
こんにちは、MPCの外山です。
お気づきの方もいるかもしれませんが、実はこそっとウチの事務所のHPをマイナーチェンジしています。
何が変わったかと言うと、このメルマガのバックナンバーを約1週~2週遅れでブログに載せています。まだ手を加える予定ですが、今後テーマorキーワード別のタグ付けをしたり、ウィキペディアみたいにキーワードにリンクを付けたりして、過去の記事が参照出来るようにしたいと思っています。(「以前話しましたが…」って書いてあったらその”以前”の記事がすぐに見れるように出来ればと思います。)
一応メルマガサイトでバックナンバーは見れるようにしてありますが、記事数が増えて過去の内容を参照し辛くなっているので、「過去の内容がもう一回読みたいな…」って方が簡単に確認出来るようにする予定です。
さて、今回で<マーケティング編>も最後です。
最後なので、まとめと言うか補足と言うか、そんなことを少しお話ししたいと思います。
【自分がイメージしている商品の姿がお客さんにも見えているか?】
今回のシリーズ(『商品化』のプロセス)でお伝えしたかったこと、それは…
『”売り物”のイメージをお客さんと共有出来る形にして下さい』
ということです。
言い換えると、『自分の見ている世界がお客さんにも見えるような形を作って下さい』ということです。
どんなに”良いもの”を売っていても、それが”良いものだ”ということが、お客さんに分かってもらわないと話は始まらないわけです。そして、お客さんに分かってもらうためには、お客さんが分かるような形を作らないといけない。で、お客さんが分かるような形を作るためにやるべきことが今回のシリーズでお話しした『商品化』です。
【「差別化されているもの」ほど売れないというジレンマ】
マーケティングの分野で「差別化」という言葉をよく使います。「他と違う」という意味ですね。「他と差別化が出来ていないと売れない」というような意味で使ったりしますが、この「差別化」なる概念、結構厄介だったりします。
というのも、差別化されている=他と違う=今までに無い商品というのは、性能が良くても、最初のうちは売れなかったりするケースが多々あるからです。
なぜかというと、差別化されているものというのは、お客さんにとって今まで経験したことがないものなので、最初のうちは「よく分からないもの」なわけです。
売り手は「他と違うから売れるだろう」と思って意気揚々と売り出しますが、お客さんは「よく分からない」ので買ってくれません。(今回のシリーズの最初にお話しした私にとっての初期のころのiphoneのケースがこれに該当します)
今大ヒット商品に成長したものでも、最初はこのジレンマに直面していたものが結構あります。1つ有名な例を紹介します。
【ホンダ”スパーカブ”の北米でのケース】
今や世界中で売れているホンダの”スーパーカブ”。バイクに興味が無い方でも知っている超有名な小型のバイクです。
1959年にホンダは国内で実績のあるこの商品を海外でも売り出そうと北米(アメリカ)市場に進出しました。「アメリカでは今までに無い小型バイクだ」ということで売り出し始めたのですが、当初は全く売れなかったそうです。
というのも、当時のアメリカでは排気量が1000ccを超える”ハーレー”のような大型バイクが主流でした。なので、当時のアメリカ人にとってはバイクとは”ハーレー”のような大型で”男らしい”乗り物のことでした。(要は「髭を生やして、革ジャンを来た荒くれ者たちが荒野を駆けるための乗り物」ってことです)
そこに排気量が100cc程度の小型バイクを「アメリカには今までない商品ですよ!」と持ち込んだとしても…。「は?何これ?小型だから何?誰が乗るんだ??」と思われて全く売れないわけです。(当時は今と違って日本製=性能が劣ると思われていましたしね…)
困り果てた当時のホンダの社員の方々は、休みの日などに息抜きに街中でカブを乗り回したりしていました。すると、その姿を見た人たちから「そのバイクは何だ?どこで売ってるんだ??」という問合せが入り始め、カブは売れるようになりました。
ここからは私の勝手な推測ですが、カブを買ってくれた人たちは、実際にカブが走っている姿を見て…「あー、これは街乗りに使えるバイクなんだ」とか「これだったら、運転も簡単そうだし安全だな」とか「ローマの休日の”ベスパ”みたいで、ちょっとかっこいいかも」って思ってもらえたんだと思います。
要は、”スーパーカブ”なる乗り物が「どんなものか分かった」ってことです。
(ホンダが偉いなと思うのはこれを”ベスパみたいな乗り物”とは言わなかったことだと思います。多分それをやっていたら上手くいかなかったかもしれません。)
似たようなケースは他の商品でもあります。今回紹介したスーパーカブの話も含めてまた機会があればこのメルマガで書きたいと思います。
【「売るための努力」はしたか?】
スーパーカブの例でも分かるように、良いものであっても最初から売れるとは限りません。商売をしていると…
「こんなものを作ったけど、売れないな…。間違ったものを作っちゃったかな…」とか時には、「お客は何も分かってない!」とか言いたくなる時もありますが、そんな時は一度落ち着いて…
『自分は売るための努力をしたか?売れる形になっているか?どこか不十分なところは無いか??』
ということを考えてみて下さい。
残念ながら努力をしたからといって、必ず売れるわけではありません。ときには「頑張ったけどダメだった…」ということもあるはずです。(というか、そちらのほうが多いはずです)
でも失敗したなら失敗したで、いいと思います。それで何かが得られるわけですから。
とにかく、今出来る売るための努力をしましょう!!
ということで、約2ヶ月半ぐらいに渡ってお話ししてきた<マーケティング編>はこれで一旦終了です。今回は総花的に話をしたので、個々の「ターゲティング」とか「広告」とか「チャネル」とかの話についてはまた機会を見つけてやります。
次回からは私が思いつきで毎回テーマを選ぶ単発編をしばらくやります。
ちなみに今後の予定ですが…
2月下旬ごろまで…単発編
2月下旬or3月上旬…新シリーズ<組織編>スタート
一応こんな予定です。
では・・・。