こんにちは、MPCの中の人です。

5月も半ばですが、この時期が一年で一番過ごしやすくて良いですね。
花粉さえなければね!

ということで、今回はややこしいキャッシュフローの計算の話です。

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中の人:「へっくしょん!」

岡崎:「お前まだ花粉症なの?」

中の人:「そろそろイネの時期なので、というか昨年まではイネ花粉だけだったんですよ…」

内山:「それが今年からヒノキも発症したと?」

中の人:「そうです」

松本:「ヒノキ花粉の人はスギも花粉症になるという噂ですから、来年からはフルラインナップですね!」

中の人:「そう言われてもうれしくないですけどね…」

【営業CFの計算】

岡崎:「今回は営業CFの計算方法について話をしようかね」

松本:「前回までの話だと結構ややこしそうな感じですね…」

岡崎:「まあ、一回理解してしまえばそうでも無いんだけど、最初は抵抗あるかも…。
    だから今回は難しいと感じたらさっとななめ読みしてもらって、最後の簡易計算だけ
    理解してもらえばそれでいいけどな」

中の人:「ちなみに今回は一般的に使われている”間接法”ってやり方で計算します。
      ”直説法”って方法もあるんですが、あまり一般的ではないし、話が混乱するだけなので
      解説はしません」

岡崎:「じゃあ、順を追って説明していこう。決算書とメモ用紙用意しながら聞いてね。あと、決算書は2期分必要だからよろしく」

【ステップ1 税引前純利益~減価償却費(非現金支出費用)の調整まで】

岡崎:「営業CFの計算だけど、まずはPLから税引前純利益の数字を拾って紙の一番最初に書いて」

内山:「えっと、昨年のうちの損益だと税引前純利益は500万円ですね」

岡崎:「税引前の純利益が分かったら次は販管費計算書と製造原価報告書から減価償却費の額を
    調べて純利益の額に足して」

内山:「償却費は1,000万円だから純利益と合わせると500万+1,000万で1,500万ですね」

松本:「何で償却費を足すんです?」

中の人:「松本さん。償却費って現金支出に関してある特徴があったんですけど覚えてます?」

松本:「えっと…。そうだ、現金支出が伴わない費用だ。非現金支出費用でしたっけ?」

中の人:「そうです。償却費の話のときにやりましたね。償却費っていうのは費用として損益計算上は
      マイナスされているんですけど、実際は現金が出て行っているわけではないので、
      CFの計算ではその分利益にプラスするっていう調整をするんですよ」

松本:「なるほど~」

中の人:「ちなみに”引当金”なども非現金支出費用なので引当金がある場合も償却費と同じように処理します」

【ステップ2 売掛金増加額をマイナスする】

岡崎:「償却費の調整が終わったら次は前期と前々期のBSを見て、売掛金の増減額を計算して」

内山:「えっと前々期の売掛金が100万円で前期が150万円だから50万円増えてます」

岡崎:「増減額が分かったら、その分をCFから引いて」

内山:「え?1,500万円-50万円=1,450万円って計算をしろってことですか?」

岡崎:「そう」

松本:「でも何でそんな計算を?」

中の人:「売掛金っていうのは『売上は計上されているけど、まだ現金は入ってきていないお金』ですよね?
     ということは、売上100万円で売掛50万だった場合は手元の現金は50万円ってことです。
     仮に費用が0円だったとするとこの場合の利益は100万円になるので、手元の現金と50万円の差が出てしまう。
     これを調整するためにはどうすればいいかと言うと、売掛金50万円を利益100万円から引いてやればいいですよね?
     その調整をこの段階ではやっています」

岡崎:「今、中の人が説明した調整をするためにCF計算では『売掛金の増加額を利益から差し引く』って調整をするんだ」

【ステップ3 買掛金の増加額をプラスする】

岡崎:「売掛金の調整が終わったら次は『買掛金の増加額を利益に足す』って調整をする」

松本:「売掛金と逆のことをするんですね?」

中の人:「そうです」

内山:「そうすると、買掛金は前々期が80万円で前期が120万円だから40万円。売掛金調整後のCFが1,450万円だから
    1,450万円+40万円=1,490万円ですね」

【ステップ4 棚卸資産の増加額をマイナスする】

岡崎:「売掛・買掛と同じように棚卸資産、つまり在庫の額の調整もしないといけない。
    『棚卸資産の増加額を利益から引く』って処理だな」

松本:「これは何で?」

中の人:「在庫の話のときにもしましたけど、在庫は会計上は”期末棚卸資産”という形で費用から差し引かれてましたよね?」

松本:「確か1,000万円仕入をしてその内の100万円が期末に在庫として残ったら1,000万円-100万円=900万円が
    その期間の費用になるんでしたよね?」

中の人:「そうです。ということは現金支出があったにも関わらず、費用としては計上されない状態になっているわけです。
      つまり、現金よりも利益が100万円多い状態になっている」

内山:「だから利益の額と現金の額を合わせるために利益から100万円を差し引くわけですね」

岡崎:「その通り」

内山:「そうすると、買掛金調整後の額が1,490万円だったから棚卸資産の調整をした後のCFの額は1,490万円-100万円=1,390万円に
     なりますね」

【ステップ5 税金支払い額をマイナス】

松本:「もう頭がパンクしそうなんですけど…」

岡崎:「あとちょっとだ、頑張れ!最後は税金として支払った額をマイナスして終わりだ」

内山:「あ、そうか。”税引き前”の利益から始めているから納税した額を最後にマイナスしないといけないんですね」

中の人:「そうです。本当はあと『利息や配当金の処理』についても説明しないといけないんですけど、はっきり言って
      ややこしいので、止めときます」

松本:「ややこしいって、どうややこしいんですか?」

中の人:「利息や配当金を営業CFとして扱うのか、投資・財務CFとして扱うのかという問題になってくるんですよ」

松本:「何を言っているのかよく分からない…」

中の人:「ですよね?だからやめておきます」

【営業CF計算まとめ】

岡崎:「頭が混乱していると思うので、もう一度営業CFの手順を整理するとこうなる
    
    ① 税引前純利益を求める
    ② 減価償却費を『プラスする』
    ③ 売掛金増加額を『マイナスする』
    ④ 買掛金増加額を『プラスする』
    ⑤ 棚卸資産増加額を『マイナスする』
    ⑥ 税金支払い額を『マイナスする』

    こういう計算をしたら営業CFが計算できるんだ」

松本:「何となくは分かりましたけど、メンドクサイ…。もっと簡単にやれる方法無いんですか?
    多分読者の皆さんも理屈は分かっても自分で計算しようとは思わないですよ…」

岡崎:「そういう時は中の人に『計算して!』って言えばやってくれると思うぞ」

中の人:「別にいいですけど…。お金取りますよ」

内山:「だけど、冒頭に簡易的な計算があるって言ってましたよね。それどうやってやるんですか?
    それを知っておけば中の人にお金を払わなくて済みますよね?」

【5秒で出来る営業CFの求め方!】

中の人:「私としては『営業CFは計算が難しい』っていう話にしておいてお金儲けをしてもいいんですが、
      それだと皆さん困るので簡単に誰でも営業CFが求められる方法をお教えしましょう」

岡崎:「もったいぶって偉そうに言ってないで早く教えてあげろよ」

中の人:「『税引前純利益+減価償却費』で計算すればOKです。大きな特別損益なければ経常利益で計算してもOKです」

内山:「それだけ?」

中の人:「そうです。もちろん正式のやり方よりは精度は落ちますが、通常はこれで十分です。
      普通に経営をしていれば売掛や買掛・在庫の増減なんてそんなに出ないはずなので、この計算で十分やっていけます。
      もし心配なら大幅に売掛金とか在庫が増加したときだけ、その調整をしてもらえばいいだけです。
      『利益+減価償却費=営業CF』って計算式を覚えておけば誰でも5秒で営業CF計算出来ますよ!」

松本:「だったら最初から簡単な計算式教えてくれればよかったのに…」

中の人:「それもそうなんですけど、計算出来る出来ないは別として『売掛・買掛金、在庫はCFに影響する』ってことを
      イメージしておいて頂きたかったので長々と説明しました」

岡崎:「大切なことだな。じゃあ、来週はCFの改善のやり方の話でもしようかね」

中の人:「そうですね。次回もお楽しみに!」

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