こんにちは、MPCの外山です。

蒸し暑い!まだ5月ですよ!!
カラっとした暑さは嫌いじゃないですが、蒸し暑いのは嫌です。
多分この夏はメルマガの冒頭で「暑い!」って5回は書くと思います。

さて、前回までで<組織編>が終わったので、今回からはしばらく単発ネタです。
とは言うものの、まだ<組織編>の名残が残っているので、組織関連のネタが
多いかもしれません。

今回のテーマも組織関連です。単発ネタと言っていますが、長くなるので3回ぐらいに分けます。

【「和をもって貴しとなす」という言葉】

日本語には「和を以て貴しとなす」という言葉があります。日本の社会では非常に重要な言葉ですよね?
誰でも一度は聞いたことがある言葉のはずです。

この言葉は一般的にはいい意味で使います。海外の経営学の本なんかには日本企業の
強みとしてこの考え方を評価しているものが結構あります。

じゃあ、今回のメルマガでも「この考え方を重視しましょう!」と言うのかと思いきや、そんなことはしません!
世の中の多くの物事には”良い面”と”悪い面”がセットで存在するわけで、”良い面”だけ知っているだけでは
不十分なので、今回は「和を以て貴しとなす」の”悪い面”について書きます。
(と言っても、予め言っておきますが、私は別にこの考え方が嫌いとか否定しているわけではないですからね)

【「和を以て貴しとなす」っていつから言い始めたのか?】

ところで、この「和を以て貴しとなす」っていつ頃から使われ始めたのかご存じですか?

高度経済成長期?戦前には使われていた??もっと古くて江戸時代ぐらい???

いやいや、もっとずーと古いです。
「和を以て貴しとなす」って言葉の元ネタは聖徳太子が作った”17条の憲法”です。
覚えてますか?”17条の憲法”です。中学校のころに歴史の授業でやったあれです。
17条の憲法が作られたのが、604年なのでかれこれ1400年以上使われているわけです。

その17条の憲法の”第1条”が「和をもって貴しとなす」です。実際に17条の憲法にはどんなことが書かれているかというと…。
(全文書くと長いので、各条文の冒頭だけ書きます。)

第1条:「和を以て貴しとなし、忤(さから)うことを無きを宗(むね)とせよ。…」
     (和をなによりも大切なものとして、いさかいが起こることがないようにしなさい…)
第2条:「篤く三宝(さんぽう)を敬え。三宝とは仏と法と僧となり…」
     (あつく仏教を信奉しなさい。三宝とは仏と法理(仏法?)と僧侶のことです…)
第3条:「詔(みことのり)を承けては必ず謹め。…」
     (天皇の命令には、かならず謹んで従いなさい…)

こんな感じの内容です。あと14条あります(面倒なので残りは書きません。興味がある方はグーグル先生に聞いて下さい)

【最も重視されるのは”和”】

なぜ、上で17条の憲法の条文を書いたのかと言うと、この順番が非常に重要だからです。
「和を以て貴しとなす」は一番最初に書いてありますよね。で、次が「仏教を信奉しなさい」で
その次が「天皇の命令に従いなさい」です。これが何を意味するのか?

『日本においては、”和”が一番重要』

ってことです。宗教の教え(仏教)よりも国の元首(天皇)の言うことよりも、”和”が重要だってことです。

極端なことを言ってしまえば、「和を乱すような宗教の教えとか天皇の命令はいかん!」ってことです。
日本の社会はこの考え方を根底にして成り立っています。今でもそうです。
西洋やイスラム圏の文化が”神の教え”を最も重視してきたように、日本人は”和”を最も重視してきました。

実際に日本は歴史上”和”を重視しないリーダーが表れて来ましたが、大抵失敗するか、結局は”和”を重視する
合議制の政治体制に移行していきます。例をあげると…。

鎌倉幕府→源頼朝が設立するが、実際の幕府運営は御家人の合議制で決まる。
後醍醐天皇→天皇に権力を集中させようとするが(建武の親政)失敗
室町幕府→足利義満の時代に独裁に近くなるが、義満の死後は大名の合議制
江戸幕府→そもそもが最初から老中の合議制で物事を決める政治体制(地方の藩も一緒。プチ幕府の政治体制)
明治政府(初期)→幕末に有名な人はたくさん出てくるが、実際の物事は元老院で決める。

日本には海外みたいな「強力なリーダー」が生まれないってよく言いますよね?
また後で書きますが、それも”和”が関係しています。

【ところで”和”って何ですか?】

ここまで、「和を以て貴しとなす」という言葉の歴史的背景を中心に説明してきました。
結構由緒正しい言葉なんですよこれ。

ところで、今まで私は普通に”和”という言葉を使ってきましたが、これどういう意味でしょうか?
ニュアンスとしては「皆仲良くしなさいね」という感じですが、もっと具体的に言うと…。

「話し合い」「空気」「雰囲気」「前例」「慣習・慣例」

このような概念が”和”に含まれると思います。以前<コミュニケーション編>で書いた「コンテクスト」の部分です。
<コミュニケーション編>で「日本人はコンテクスト重視」って書いたと思いますが、
何故そうなるのか分かりますよね?

【”和”を重視することによる弊害】

さて、長々と歴史の授業が続きましたが、いよいよ本題です。

「和を以て貴しとなす」

きれいな言葉です。が!序盤でも書いたようにこの言葉には裏の側面があります。
それが何か?まず一つ目ですが…

「”原理・原則・ルール”が守られない(守らない)理由になる」

です。

詳しく説明します…。と思ったのですが、今回はここまでです。詳しい内容は次回説明します。

【今回のテーマを書くに当って…】

今回のテーマですが、井沢元彦氏の「逆説の日本史」を参考にしています。
歴史の本ですが、組織論に通ずるところが多々あるので、井沢氏が言われていることを
「経営(組織)に置き換えるとこうなる。」という観点で書いていきます。

興味のある方は文庫本でも出ているので、読んでみて下さい。
(ちなみに今回書いたことは1巻~2巻に詳しく書いてあります)

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