こんにちは、MPCの外山です。

桜が開花したそうです。が!問題は花見をするタイミングと開花具合が合うかどうかです。
毎年花見を予定していると早いか遅いかのどちらかなので…。
(個人的には満開よりも8分咲きぐらいがベストです。何事も完璧よりも多少不十分さがある方が好きです)

では前回までのおさらいから始めます。

【前回までのおさらい】

”組織”と”集団”は違う
      ↓
”集団”に「目的の共有」「役割」「行動の統制」が伴ったものが”組織”
      ↓
強い組織ほど「目的の共有」がされている。
      ↓
強い組織は”カリスマ的リーダー”や”スーパースター”がいなくても機能する
      ↓
リーダーの仕事は「メンバーを目的地に導くこと」
      ↓
リーダーの仕事はリーダーだけでは出来ない。フォロワーの存在が実は重要←前回ここまで

前回はリーダーシップ論の話でした。
これまで「目的の共有が大切」「目的を共有させるのがリーダーの仕事」ということまでは書いてきましたが、
まだ重要なことが一つ抜けています。
「共有出来る目的をどうやって決めればいいのか?」という話です。”目的地”をどこにするか?ですね。

と、いうことで今回は「目的の決め方」の話です。ただ、最初に言い訳をしておきますが、
このテーマに関しては私も「こういう手順でこういうことしたら決められるよ」というような
具体的な方法等を知っているわけではないので、今回の話は内容がいつもよりも抽象的になります。その点ご承知おき下さい。

【皆が共有出来る目的の条件】

私も「目的を決めるときにどのような目的にすればいいのか」という問題は結構前からあれこれ考えています。
そんな中で、自分の経験を振り返ってみたり、色々な方のお話を聞いたり、企業の事例とか歴史の本とかを
読んだりしているうちに「これは必要だな」と考えた条件をいくつか紹介します。

①シンプルであること
②分かり易い言葉で表現されていること
③組織のメンバーが「自分に関係する」と思えること

この3つの条件は皆が共有出来る目的の必要条件だと考えています。
それぞれ詳しく説明していきます。

【条件1「シンプルであること」】

目的は出来るだけシンプルにする必要があります。
出来れば1つ。多くても片手で数えられるぐらいが理想です。

なぜかというと、『目的が多くなると”何がしたいか”がブレるから』です。

例えばある会社の目的が次のようなものだったとします…。
「わが社の目的は、品質が良い製品を安い価格でスピーディーに提供し、お客様の笑顔のために
おもてなしの心を持って対応し、従業員の生活を向上させながら世界に名だたる企業になること」

この会社何がしたいか分かりますか?何となく気概は伝わってくるかもしれせんが、
「で、結局何がしたいの?」ってなりませんか?

『目的が多くなると”何がしたいか”がブレる』とはこういうことです。

【目的が複数あることによって発生した失敗の事例】

今回のシリーズの最初に参考図書をいくつか紹介した時に、「失敗の本質」という本を紹介したと思います。
その中に目的が多くなることによって発生した失敗の事例が書いてあるので、紹介します。

事例は太平洋戦争の時の”ミッドウェー海戦”です。よくテレビでも「日本が敗戦するきっかけとなった戦い」として
紹介されるので、ご存じの方も多いかと思います。

ミッドウェー海戦で負けた要因としては、「日本軍の暗号が解読されて、行動が筒抜けだった」とか
「アメリカは高性能のレーダーをもっていた」とか技術面の要因がよくあげられますが、
実はもう一つ組織面でも大きな問題がありました。

それが、「目的の不徹底」です。言い換えれば「目的が複数あり、ブレていた」ということです。
どういうことかというと…。

ミッドウェー海戦を行うにあたって、作戦立案者の山本五十六は目的を
「アメリカ海軍の太平洋艦隊を殲滅すること」としていました。
一方、現場の責任者の南雲提督は目的を「ミッドウェー島の占領」としていました。

作戦の目的が「敵の艦を攻撃する。もしくは敵の基地を攻撃する」となっていたわけです。
要は、実際に戦う兵隊さんたちにとっては「艦を狙うのか、基地を狙うのかどっちだ?」という状況になっていたわけです。

で、その結果何が起こったかというと…。
当初は艦を攻撃するために、攻撃用の飛行機に魚雷を装備していました。でも、敵艦隊が見つからないので、
「じゃあ、基地攻撃しよう」ということで、魚雷を基地攻撃用のの爆弾に変更して、基地攻撃に向かおうとしました。
しかし、装備の変更が完了した後で、敵の艦隊が出現。

ここで諦めて撤退すればよかったのですが、当初の目的があるので(艦隊殲滅というやつです)「やっぱり艦隊攻撃だ」と
なって、また装備を爆弾から魚雷に大急ぎで変更します。でも、装備を変更するには時間がかかります。(飛行機が何百機もありますからね)
で、日本軍がバタバタしている間にアメリカ軍機が襲来。結局日本軍は何も出来ないまま攻撃を受けることになってしまいました。
(しかも、艦の上には爆弾だの魚雷だの危険物が散乱しているので、一発攻撃を受けただけでもえらいことになります)

ちなみに雑学ですが…。「じゃあ、爆弾使って敵の艦攻撃すればよかったじゃん」って思うかもしれませんが、
飛行機に詰めるサイズの爆弾だと空母とか戦艦とかの大きい艦は沈まないんですよ。
魚雷を使って水面より下の部分を壊さないと沈没はしません。

結局この時どうすべきだったかと言うと、「艦を狙う」のか「基地を狙う」のかどちらかに目的を絞るべきでした。
もし「艦を狙う」ことにして艦隊が見つからなかったら、そのまま撤退するべきでした。
逆に「基地を狙う」にして敵艦隊が来てしまったら、相手にせず逃げるべきでした。
こうなっていれば、作戦としては失敗ですが、被害は抑えられたはずです。

本来はそうすべきところを目的を中途半端にしたから、現場の行動も中途半端になって結局は大失敗に終わってしまいました。

(とは言え、そもそも日本自体が戦争の目的が絞り込めていない状況の中で司令官たちに作戦の目的を絞り込めと
言うのも酷だとは思いますけどね…。太平洋戦争は開戦してから終戦までずっとこんな感じです。)

これ、企業でも同じことです。
『目的が複数あると現場は混乱します』

【でも現実は…】

ということで、ここまで「目的はシンプルにすべき」という話をしてきました。

しかし、現実はそう簡単にはいきません。「あれもこれも」ってなってしまうんですよ。
では、そんなときはどうすべきなのか?どうやって理想と現実の折り合いを付けるのか?

その話はまた次回します。

では・・・。

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