こんにちは、MPCの外山です。

先週「センター試験で大雪が…」って冒頭に書きましたが、そうしたら案の定降りましたね。
そして、「センター試験でトラブルが…」って書いたら、案の定起きましたね。
これが予知能力です(笑)

今回のテーマで<マーケティング編>も一旦終了です。
本題に入る前にまずはおさらい…。

【これまでの話の流れ】

◆マーケティングとは『売り手と買い手のギャップを解消する活動である』

◆まずは買い手の「よく分からない(買わない/買えない)」=『”売り物”のギャップ』を解決しよう

◆『”売り物”のギャップ』を解決するためには、”売り物”を買い手が「よく分かる形にする」=『商品化』する

◆『商品化』とは”売り物”の5W1Hを決めること。

◆まずは自社の提供する機能(=売り物)に注目して”何を?”を考える。

◆機能を見つけるためには「実績」と「やりたいこと」に注目する

◆”何を?”を考えたら次は”誰に?”を考える。誰向けか分からないものは誰も買わない。

◆”誰に?”の次は”なぜ?”=『ベネフィット』を考える。お客さんに商品のメリットを提示しよう。

◆”いつ?”を考えて、『どんなときに使う(買う)ものか?』を明確にしよう。

◆”どこで?”=『お客さんをどういうルートで商品にアクセスさせるのか』を考えましょう。

今回は「価格設定」に関する話でございます。(そして、今回の話はマーケティングというより会計の話です)
セミナーで今まで寝ていた人がこの話を始めると途端に起きて聞き始めるという話でございます(笑)

【最終的には”安い方が売れる”という現実】

今回はいきなりえげつない話から始めます。いつもの”○○なものは買わない”の法則です。
今回はちょっと言い方を変えます。

『同じようなものだと思ったら、最終的には安い方を買う』

です。今回のシリーズを通して私が言ってきたことの中で、最も分かり易いことだと思います。
そして、悲しい現実です。でも、現実は現実として受け止めなければなりません…。

でも、安い方が売れるからと言って、安易に安い価格設定をしてはいけません。
また逆に、本当はもっと安く出来るのに、お客さんの要望よりも高い価格を提示して、受注機会を逃して
しまうこともよくありません。

【価格設定の大原則】

では、価格を下げる場合どこまで下げていいのか?

これには大原則があります。

『限界利益がマイナスの水準で売価を決め手はならない』

”限界利益”とは売価から”変動費”を引いた後の残りです。
売価-変動費=”限界利益”です。

そうすると「変動費って何?」ってなるかもしれないので、もっと簡単に言うと、
変動費≒仕入(外注費)です。(厳密に言うと違いますが)

つまり、『”売価>仕入値”になるようにしないといけない』です。
例えば、八百屋さんが100円で野菜を仕入れたとすると、売価は100円以上に設定しないとダメです。
当たり前と言えば当たり前です。100円で仕入れたものを90円で売ってたら、何をしているのか
分からないですからね…。

当たり前ではありますが、時々この原則が守られないケースがあります。
どういう場合かというと、最初は売価>仕入で価格を決めていたけど、お客さんの値下げの要望と
仕入先さんの値上げの要望に応えているうちに”売価<仕入”となってしまうケースです。

原価管理をしていないと、知らぬ間にこうなってしまうケースがあるので、気を付けて下さい。
あと、お客さんからの値下げや仕入値の上昇が予想される場合は、それを見込んで最初の価格を設定して下さい。

【商品の価格はどこまで安くしていいのか?】

では、上に書いた原則を理解して頂いたところで、「価格はどこまで安くしていいのか?」という話に移ります。

結論からいうと…

『限界利益がマイナスにならない水準までなら価格を下げていい』

こういうことになります。先ほどの八百屋さんの例で言えば、「売価は101円でもOK」です。

ただ、現実問題として101円で売ったりしたら、「どれだけ売らないといけないんだ!」という話になりますが…。
仮に八百屋さんの経費(固定費)が月30万円だったとしたら、月30万個野菜を売らないといけないので、
物理的に無理です。(他で稼げるならいいですけどね)

【大いなる勘違い】

この価格設定の原則が分かっていないと、間違った意思決定をすることがあります。

例えば、原価が材料費10万円、人件費5万円の計15万円の製品を生産していたとします。
この製品をお客さんが12万円で買いたいと言ってきました。
さあ、どうしましょう?12万円で売りますか??

答えは…。「売るべき」です。

「え?3万円赤字じゃん。ダメでしょ!」と思われた方もいると思いますが、違います。
ポイントは”人件費”です。上の例の場合、私の書き方が良くないので、分かり辛かったかも
しれませんが、人件費というのは”固定費”です。ある特定の製品を生産するためだけに雇って
いるなら話は別ですが、普通は人件費というのは、「品物が売れても売れなくても出ていくお金(固定費)」です。

ですので、この場合は「売価12万円-仕入(変動費)10万円=限界利益3万円」になって、
「限界利益がプラスになる」ので「売るべき」です。むしろ売らない方が問題です。

言葉だけだと分かり辛いので、表を書いて説明します。

|   売る    |  売らない
————————————-
売上    | 12万円     | 0円
仕入    | 10万円     | 0円
人件費   |  5万円     | 5万円
————————————-
利益    | ▲3万円    | ▲5万円

さて、どちらがお得でしょう?
同じマイナスでも売った場合の方がマイナスが少なくて済むので、売る方がお得です。

何が起こっているのかというと、売って稼いだ限界利益2万円分が人件費の回収に充てられるので、
その分お得になっています。

この理屈を知らないと、本来得られる利益をずっと捨て続けることになるので、気を付けて下さい。

ただし、この考え方には非常に重要な前提条件が一つあります。
『受注をすることによって、固定費が増加しないこと。若しくは、増加した固定費が回収出来る見込みがあること』です。

固定費が増えてしまったらその分損するので、(例えば、上の例で固定費が10万円追加されたとすると
「売る場合」→利益▲13万円、「売らない場合」→利益▲5万円になります)
この前提条件はしっかりと頭に入れておいてください。

【売価は高ければ高いほど良い】

今回は「売価はどこまで安く出来るのか?」という話が中心でしたが、だからと言って
「価格競争に持ち込め」とか「安く売れ」と言っているわけではありません。

むしろ、高い価格で売れるのであれば、出来るだけ高い価格で価格設定をして下さい。

そして、価格を低価格にするのであれば、それは戦略的に目的を持ってやって下さい。
戦略的に低価格にするとはどういうことなのかは次回説明します。

今回は<マーケティング編>と言いながら会計の話でした。
でも、この話をしておかないと次回の話が出来ないので、今回は会計の話をさせて頂きました。

では・・・。

メルマガ登録はこちら