年も残すところ1週間を切ってきました。1年は早いものです。

さて、前回の「肚落ちさせるためには、体験・体感をさせることが重要」という話の続きです。

では、人に体験や体感をさせるための方法を2つほど紹介します。

千尋の谷に突き落す方式

体験や体感を促すためには一番手っ取り早い方法です。ライオンが我が子を谷に突き落すが如く(ちょっと大げさですが)、従業員に「とりあえずやらせてみる」方式です。

この方式は従業員の方の立場からしたら、否が応でも仕事を経験せざるを得ないので、体験させるという効果は大きいです。多くの中小企業ではこの方式が多いのではないでしょうか?実は私も新入社員で入社した直後はOJTの名のもとにこの方式で教育されました。

しかし、この方式は「社員が辞めてしまう」というリスクも高いです。特に社会に出たての新入社員の場合「人に怒られる」「仕事がいつまでも終わらない」「段取が組めない」等々の理由から精神的に参ってしまい、
「私にはこの仕事は合いません…。辞めます…。」
と言い出すケースがしばしばあります。

効果は高いのですが、貴重な人材を辞めさせたくないということも考えるとなかなか取りづらい方法ではあります。

また、この方式を取る上で気を付けないといけないのは、「放置しない」ということです。
突き落すだけ突き落してあとは放置、ということをすると従業員が辞める確率が高まります。ですので、谷に突き落したら谷の上から見守るということをして下さい。

谷から突き落したあとに見守るから「教育」になるのであって、見守ることを怠ったらそれは教育ではなく「捨てる」ことと変わりはないのです。

やってみせるやらせてみせる方式

千尋の谷方式はハイリスク・ハイリターンな方式です。そして、それに耐えられる人も限られてくるので、誰にでも使えるという方式ではないです。
ということで、私がよく提案するのはこちらの方式です。

具体的には

指導者(経営者・管理者)がまず仕事をやってみせ、「ほら、出来るだろ?」ということを示す

従業員にやらせてみせる(このとき指導者はそばで見守る)

出来ないことがあれば修正する。(このときも指導者がやってみせる)

このサイクルを出来るようになるまで繰り返す。というのがこの方式です。
正直なところ、この方式は手間がかかります。面倒くさいです。人によってはイライラします。
(私も実際にこの方法で後輩を指導したことがありますが、大変でした…)

でも、長期的に見ればこの方式のほうが人は育ちます。特に人材が少ない、人が辞めてもらっては困る中小企業の場合、この方式で丁寧に人を育てていくことが必要なのです。

肚落ちには時間がかかる

ここまで、肚落ちさせる方法について2つ紹介しました。じゃあ、この2つの方法を取ったから明日からすぐ従業員が指導したことを納得して受け入れてくれるかというとそうではありません。

時と場合また人によっては、一度体験したことで肚落ちすることもありますが、大概のことは肚落ちに時間がかかります。
前回もお話しましたが、私も新入社員時代に言われたことを体験して肚落ちするまでには何年もかかりました。そして、今でも本当に肚落ちしていることは、当時の上司や先輩方が期待している半分ではないでしょうか?
「意識の足りない人」へのアプローチとして、これまで「情報の伝え方」「理解のさせ方」「納得のさせ方」についてお話しましたが、おそらくこの「納得のさせ方」が最も時間がかかります。しかし、人を動かすためには欠かせないプロセスでもあります。ですので、上手くいかないからといってすぐに諦めず、じっくり時間をかけて取り組んでみて下さい。

さて、長々と「意識の足りない人」へのアプローチについてお話をしてきましたが、次回からは「意欲が足りない」人に対しての話に移りたいと思います。

 

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